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◆人間の耐久力◆
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人間はどこまで生きられるのか。その問いに答えられる人は少ないでしょう。胸を軽くどんと押しただけでも死ぬ場合もあれば、五体不満足な状態でも生きている場合もあるからです。
人間の耐久力を計る上でひとつの指標とされるのが年齢です。
人間の限界年齢は120歳前後というのが定説とされています。
それ以上の年齢を生きたとする人もいますが（何と256歳を名乗った人もいたそうです）、たいてい、その場合は、本人が長生きであることを示したいか、数え間違い（1年を2〜3年分に数えていた）か、国威発揚の一環としてごまかされている場合かで、いずれにしろ信頼に値しません。
現在、ギネス公認で「大還暦」、つまり120歳を迎えたと公認された人間はふたりいます。
ひとりが世界一の長寿者としてギネス・ブックにも載っているジャンヌ・ルイーズ・カルマン（122歳164日）です。彼女は114歳の時にゴッホの生涯を語った「ヴィンセントと私（Vincent and Me）」に本人役で出演し、史上最年長の女優という称号も得ました。
もうひとりが日本の泉重千代（120歳237日）で、彼はギネス公認の「世界で最も長く働き続けた人物（98年間！）」としても知られます。
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◆首を切り落とされたら◆
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オカルトの話題として、「人間は首を切り落とされたらどのくらい生きるのだろう」というのがあります。
断頭台で切り落とした首を叩いたら、いきなり目が「くわっ」と開いて死刑執行人をひどく驚かせたとか、切り落とされた首が喋ったなどという話はいくつも残っており、しばしばそれをもって「人間は首だけでもしばらく生きていける」とする向きがあります。
とある学者（有名な科学者のラボアジェという説もあれば、無名の科学者という説もあり）は、断頭台で自分の首を切り落とされる際に、「死ぬまで1秒ごとにまばたきをするから、その数を数えてくれ」と弟子に言い残し、切り落とされてから実際に20回前後のまばたきをしたそうです。
ただ、これをもって「人間は首だけでも20秒くらい生きるのか」とするのは早計です。科学者の名前が一定していないことからも分かるように、これらの話は「伝聞」の域を出ていません。
実際には、首を切り落とされた瞬間に血圧が一気に下がることにより、瞬時に気絶し、10秒以内に死亡すると言われます。死＝身体の死という意味であるなら、もう数分生きるかも知れません。ですが、それは「生きている」とはとても言えないシロモノです。
いずれにしろ、首を切り落とされた瞬間に声帯は切断され、その声帯を震わせる肺とも分離されるのですから、喋ることは不可能です。
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◆舌を噛み切っても死なない◆
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自決しようとする人の中には、しばしば自分の舌を噛み切る人がいます。確かに舌にはデリケートな血管や神経が詰まっており、噛めばかなり痛いので、噛み切れば死ねそうなイメージがあります。
ですが、舌を手術して切り取る人がいるように、舌を噛み切っても普通は死にません。噛みちぎられた舌および大量の血液が気管をふさぎ、窒息状態に陥ったりすることはありますが、それも程度問題で、よほど噛みちぎらねば、気道をふさぐまでには至りません。ましてや、漫画や小説のように即死することは不可能です。
それなのに何故「舌を噛み切る」＝「自決」というイメージがあるのかと言うと、そういったシチュエーションに陥る時は、たいてい行動を束縛され、道具も取り上げられ、自ら死ぬことができない状況です。その中において、唯一できるのが、自らの意思で大量出血を起こすことのできる「舌を噛む」という行為だったのではないでしょうか。
なお、舌を噛みちぎっても死なないといっても、出血や噛みちぎったもので窒息状態が「続けば」死に至ることはあるそうです（医療関係者様よりご指摘いただきました）。なおその場合、窒息状態を物理的に取り除けば生還の可能性が高くなります。
「基本的には死なない」とは言っても、出血や気絶からの状況変化による死亡例は若干ですがありますので、リアルで噛みちぎってしまった時には、注意かつ治療しないことに越したことはありません。
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◆心臓震盪◆
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その一方で、健康だった人間が簡単に死んでしまう恐ろしい症例もあります。そのひとつが「心臓震盪（しんとう）」と呼ばれるものです。
胸にボールを受けたり、みぞおちに何かショックを与えられたりすると、場合によっては心室細動状態、つまり鼓動が微弱になって心臓が血液のポンプとしての役割を果たさなくなり、心臓マッサージなど、まったく何らかの措置を行わなければ、4〜5分で死に至ります。
ただ、どの程度ショックを与えれば死に至るのか――というのは、はっきり言って分からない状態で、どん、と胸を突き倒すだけで心室細動が起こる場合もあれば、バットで胸を打っても何ともない場合もあって、これだけは個人差によるとしか言いようがありません。栄養失調状態や激しい運動の後になりやすい、とも言われています。
いずれにしろ、この現象は胸郭がまた発達しきれていない若者に多く発生すると言われ、アメリカでは症例の多くが十八歳以下の若者のものだと言われています。
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